ちしゃとうの抗アレルギー作用に関する研究についてのインタビュー
日時
2019年1月29日(火) 13:00~
場所
岡山大学 薬学部 大学院医歯薬学総合研究科 炎症薬物学研究室
メンバー
岡山大学薬学部 杉本准教授、大森ヘルスケア株式会社 代表取締役会長 岸野氏
場所
岡山大学 薬学部 大学院医歯薬学総合研究科 炎症薬物学研究室
インタビューアー
株式会社ワイピーファーム 代表取締役社長 田所

ちしゃとうの抗アレルギー作用を実証した岡山大学訪問

ちしゃとうの抗アレルギー作用を実証した岡山大学訪問
田 所 現在、日本人の3人に1人が、何らかのアレルギー症状に悩んでいると言われ、生活の質の低下が問題になっています。

ワイピーファームではアレルギー対策食品としてちしゃとう100%パウダー「ちしゃとうの素」をネット販売、当社店舗などで販売しております。
また、その他の加工品としてミルクキャンディ、ミルクチョコレートなどに混ぜた商品を販売しており、更に商品開発を進めております。

今日は、「ちしゃとう」の抗アレルギー作用をマウスで実証実験した岡山大学薬学部へお邪魔しております。

ワイピーファームは「ちしゃとう」の抗アレルギー効果による商品開発を「ちしゃとう」を有効成分とする抗アレルギー剤の特許権者である大森ヘルスケアとのライセンス契約にて商品開発を行っています。 大森ヘルスケアの岸野会長、「ちしゃとう」の特許発明者である岡山大学薬学部の杉本准教授に、「ちしゃとう」にまつわるお話しをお聞かせいただきたいと思います。

「ちしゃとう」の効能とは

ちしゃとう

田 所 「ちしゃとう」はそもそも中国では肝機能改善効果があると言われているそうですね。

岸野会長は自ら栽培した「ちしゃとう」でご自身の肝機能を改善されたというお話しですが、抗アレルギー効果との繫がりをお聞かせください。

ちしゃとうは「台所の薬」、特殊な薬用効果も

岸野会長 当社代表取締役で北京医科大学(現北京大学)内科医で岡山大学 薬学博士でもある趙先生から「ちしゃとう」は中国伝統医学では、肝機能改善に長年使われてきたスーパーベジタブルであると聞きました。

試しに、自分で栽培した「ちしゃとう」を1ヶ月間調理して食べてみたところ、その後の診断結果は、ここ数年来で初めて「肝機能異常なし」でした。

その効果に驚き、「ちしゃとう」に惚れ込んでしまいました。
それが平成18年(2006年)のことです。

中医で中国伝統医学にも精通されている趙先生の話によれば、「ちしゃとう」は栄養価の高い野菜であるだけでなく、中国では昔から「台所の薬」といわれているほど特殊な薬用効果があると聞いています。  

さらに、中国南北朝時代(439年~589年)に書かれた「本草」という書物に、既に「ちしゃとう」が挙げられているそうです。
「ちしゃとう」を常食することにより、肝臓、糖尿病、高血圧、貧血、食欲不振、抗がん作用、歯や骨格の成長、 などに大きな効果があるとされています。

岡山大学でのマウス実験・順天堂大学の臨床試験により驚くべき結果

岸野会長 そこで、岡山大学でアレルギーを研究されている杉本准教授に相談し、マウスによる研究を行った結果、「ちしゃとう」の抗アレルギー作用が確認されました。

2015年5月、順天堂大学でも40人の健常者で4週間の臨床試験を実施したところ、次のような結果が得られました。

「ちしゃとう」の安全性はもちろんのこと、「アレルギー性鼻炎への有意性」「血圧」「血糖値」「体脂肪率」「肝機能」などの改善効果だけでなく、「睡眠障害」「倦怠感」「疲労回復」なども示唆されました。

特許取得、ライセンス契約の元、商品開発へ

岸野会長 この研究結果を元に大森ヘルスケアは2016年1月には中国で、2016年4月には日本で「ちしゃとうを有効成分とする抗アレルギー剤」として、医薬品分野、食品分野で特許取得しました。
同年、ワイピーファームさんとは食品分野で最初の特許実施許諾契約を結び、お互いに「ちしゃとう」事業を展開しています。

田所 岸野会長、「ちしゃとう」はまさにスーパーベジタブルにふさわしい野菜ですね。
中国では「ちしゃとう」は一般的な野菜なのですか。
また、どのようにして食べられていたのですか。

ちしゃとうは中国では一般的な野菜です

岸野会長 「ちしゃとう」は中国全土で作られている一般的な野菜で、流通の関係で傷みやすい葉の部分を除いた茎の部分が一年中マーケットで売られています。

中国では「炒め物」「煮物」「漬物」などに日常的に食べられています。
また、「サラダ」「揚げ物」「和え物」など幅広い料理に利用されています。

田所 岡山大学薬学部准教授で薬学博士でもあります杉本先生にお聞きします。
「ちしゃとうおよびその含有成分の抗アレルギー作用に関する研究」を長年されてきたと伺っていますが、マウスでどのような実験をされ、どのような含有成分が抗アレルギー作用を示しているのですか。

アレルギー症状は、人とマウスでは99%相関する

岡山大学杉本准教授

杉本准教授 アレルギーというのは「バイタルサイン(生命徴候を数値化したもの)が少ない疾患」で人に対する効果の判定が非常に難しい疾患です。

動物はどうかというと、実験動物は遺伝的背景が近くなっているのでデータが揃いやすく、様々なアレルギー症状を有する患者さんによる臨床試験より高感度にアレルギーに効くかどうか判定できます。
アレルギー症状に関しては人とマウスでほぼ99%相関するといえます。

マウス実験の方法とは

杉本准教授 実験方法は、マウスに抗原物質を注射することで感作します。
その後、抗原物質を点鼻することで「アレルギー性鼻炎モデルマウス」を作り、「くしゃみや鼻かき」の回数をカウントします。

そして、マウスの背中にかゆみを誘発する物質を注射して「皮膚疾患モデルマウス」を作り「皮膚かき」の回数をカウントするという方法で対象のマウスと比較して確認をしました。

マウスはかゆみなどのアレルギー症状に対して我慢したりしないので人より客観性の高いデータがとれます。

目安量はマウスから算出

杉本准教授 問題は、投与量ですね。モデルマウスで効果があったちしゃとう投与量と、一日当たりの給餌量の割合を出しました。その数値を成人の一日の食事量に換算して1日約3gを算出しました。

ちしゃとうに含まれるポリフェノールにさまざまな効果

杉本准教授 ちしゃとうに多く含まれている成分としてはポリフェノールの一種である「ケルセチン」「チコリ酸」「クロロゲン酸」「カフェ酸」があります。

「ケルセチン」は玉ねぎにも含まれており、抗アレルギー、肝機能改善、血糖値抑制、体脂肪抑制、抗腫瘍効果、アンチエイジングとさまざまな効果があるとされている成分です。
「チコリ酸」は血糖値抑制、肝機能改善があるといわれています。
「クロロゲン酸」はコーヒーの健康成分としても知られていますが、抗アレルギ-、血糖値抑制、肝機能改善、アンチエイジング効果があると言われています。
「カフェ酸」はリラックス効果や動脈硬化を抑制する効果があります。

 他に「ラクチュコピクリン」があり、鎮静作用があるといわれていますが、含有量自体は少なく、試薬が非常に高価なことから研究は進んでいません。

研究当初「ちしゃとう」凍結乾燥パウダーの葉部・茎部を別々に実験しましたが3、4年はどちらの部位の効果が高いか分からなかった。両方とも良く効くんです。全草パウダーも効くんです。

次に水抽出物で実験しました。これも良く効くんです。
最近の水抽出物を使った研究では葉部の方が効果が高いことが分かって来ました。

医薬品に劣らない抗アレルギー効果
~複合作用や相乗作用で効果を発揮~

杉本准教授 「ちしゃとう」の含有成分の中には、医薬品に劣らない抗アレルギー作用を持ったものが理論的にはあります。

それは、医薬品開発につながる、または医薬品になり得るものと思えるくらいの可能性があると考えられます。 

現状では「ちしゃとう」の持つ抗アレルギー作用の有効成分は未だはっきりしませんが、未知の成分を含む複数の含有成分による複合作用・相乗作用で効果が出ていると思われます。

田所 有効成分の解明にはまだ時間が掛かるという事ですね。

杉本准教授 私の研究室には6名の学生がおりますが、そのうち2名が「ちしゃとう」の研究に携わっています。
何がどのようにして効いたか、いわゆる「有効成分と作用機序」を明確にしなければいけません。
もう一息と思いながら8年過ぎてしまいました。

どうして効いたかはかなり分かってきましたが、何が効いているかは未だ十分ではありません。
そのためには、我々の研究室だけではなく、共同研究でないとなかなか進みません。

3年前から成分の研究に入りましたが、主要な4成分以外の少ない成分から有効成分を探していかなくてはいけないし、共同研究の先生方もお忙しいので、未だ時間が掛かります。

田所 お客様から有効成分のことを良く聞かれますが、明確に答えられません。
しかし、今、わかっている事実は、「ちしゃとう」がアレルギーに効果を発揮しているということです。
実際、私共が販売している「ちしゃとうの素」のお客様の声では、多くの方がその効果を実感して下さっています。

多くの皆さんが8年もの長い時間をかけて「ちしゃとう」の魅力に取りつかれ研究を続けてこられたことに敬意を表します。

先程杉本先生から「ちしゃとうには医薬品にも劣らない抗アレルギー作用を持った未知の成分がある」という事をお聞きし、心強く思いました。
解明の成功をお祈りいたします。
貴重なお時間とお話を、有難うございました。